東日本大震災から1周年を迎える3月9日(金)10日(土)の2日間、気仙沼市と石巻市、雄勝、女川を廻ってきました。
被災地に入るのは、去年の6月名取市閖上以来9か月ぶりでした。
今回は日本EMDR人道支援HAPが連携する「NPOジャパンハート」の被災地医療支援が行われている石巻市の小児科クリニックと、同じく母子相談支援が行われている気仙沼市の幼稚園を見学し、あわせて1年たった被災地の現状を見てくるというものでした。
一日目に訪問した気仙沼の幼稚園は、職員の方々の努力によって日常生活が戻ってきており、子どもたちの笑顔と保護者の方の安心した様子が印象的でした。
二園あるうち一園は海岸から100メートルの場所にあり、園児たち全員を高台に避難させた後で津波が園舎を襲い、職員の方が後ろから波に飲み込まれ、手を握り合って避難をして難を逃れたそうです。職員のご家族に亡くなられた方もおられ、子どもたちに日常が戻る中で、それを支えて奮闘してこられた職員の方々にこころのケアが必要になると感じられました。
二日目はまず石巻市街地から離れた場所にある大川小学校を献花訪問しました。
避難中に70名を越える児童職員が死亡した学校です。
時折雪の舞う現地には祭壇が設けられ、花を手向ける人たちが絶えませんでした。周辺は一面廃墟のようであり、校舎も被災直後の様子をそのまま留めていました。
北上川に面するこの場所は河口から4キロも奥にあり、ここまで津波が押し寄せるとは予想していなかったのかもしれません。
すぐ裏に山があり、ここに登っていれば助かったのではないかとも言われます。見ると急な斜面であり、5~6年生は登れても1~2年生には無理だったかもしれません。
選択の誤りなのか日ごろの油断が生んだ悲劇なのか、複雑な想いを後に、海岸線に沿って雄勝、女川と廻りました。途中、車窓から見える海辺の町々には人気のない廃屋と更地が広がり、復興の遅れについてあらためて考えさせられました。
「ジャパンハートこども・内科クリニック」は、石巻駅から車で15分ほどのところに2011年12月に開設されました。もともと震災直後よりNPOジャパンハートが全国の医師を現地にボランティア派遣しこの場所で医療支援を行っていましたが、ここに新たに診療所を開設したものです。
現在は土日だけの診療ですが、今後、常勤の医師が決まって診療日が増えること、またこころの支援で私たちにも要請が来ることを期待しました。
さいごに日和山公園から被災した石巻市街地一帯を見ました。翌日この場所でおこなわれる慰霊祭の準備が進んでいました。
撮って来た写真をいくつか載せます。ご覧ください。被災された方に希望の日々が訪れることをお祈りして。